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Chapter5
Chapter5―破滅の女神と勇者―非日常編
島の一番奥。森に囲まれた建物の鍵はすでに外され、秘めゴトを詰め込んであるであろう扉は誰も拒絶しない。
止めないのか、とモノボウズに問うた。
止めません、とモノボウズは答えた。
止めたところでどうせ探るのだろうと。止めなかったところで、どうにもならないだろうと。そういうモノボウズからは、鬼気迫るものは感じない。
止めても止めなくてもどちらでもよいと、本気でそう思っているようだった。
人気はない館内だが手入れは行き届いているようで、埃ひとつ落ちていない。窓も大きく光が差し込み、森の奥の建物という薄暗い印象とはずいぶん違った。
何に使うのかよく分からない機械や、何が書いてあるのか読めない資料、その他にも理解が及ばない物が並ぶこの施設が、一般的なものでないことはすぐに分かった。

アヴェル

芍薬ベラ
「もっと大事なも のばっかり置いてあると思ったけど、意外とそうでもない
ものもあるみたいね」
「あ、これ最初にやったビンゴのカードなの!
らーちゃん、ビンゴにならなかったけど楽しかったの~」
ベラの手に握られたビンゴカードは、か つて僅かな間だが流れた穏やかな時間を思い出させてくれる。
そのカードをじっと見つめ、しばしの感傷と情景に目を瞑るベラは、ふと何かが引っかかる。

アヴェル

芍薬ベラ

芍薬ベラ
「んー…?ん~?……なんからーちゃん、このカードが気になるの!」
「このカードって…リーチで止まってるわね。」
「うーん…殆ど開いてないけど、こんなに開かない ものなの?」


アヴェル
