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chapter4-不安と無音と懐疑心-
chapter4-不安と無音と懐疑心-裁判前編
きしり、と裁判台を踏みしめる音がする。
その音に慣れたことに気づくのが嫌だ。慣れてしまうほどに回数を重ねたこの裁判が、嫌だ。
いくら思えど、モノエルは無遠慮に裁判開始の木づちの音を鳴らすのだった。

モノエル
「あー恐ろしいでしゅね。あんなむごたらしい死体を飾り立てるなんて、
犯人は何を考えているんでちかね」

花柳玲子
「まずは2人の状態だけど…カンタービレさんの方は状態が、ね…。
先に赤音さんの方から考えてみましょうか」

花柳玲子
「赤音さんは体育館の真ん中で首を吊られていたけれど…
死体の状態はどうだったかしらぁ」

遠雷紬
「…体育館の中央で、首を吊られていた…全身ぼろぼろで…」
