chapter1-毒食わば骨舐れ-
chapter1-毒食わば骨舐れ-裁判編 後編

カレブ
「ん?今私の名を呼んだか?すまない、耳が少し悪いものでな」

メアリー
「一つの可能性として名前を挙げただけですよぉ。
まぁ、間違ってる可能性は十分ありますけどねぇ。」

カレブ
「ふむ。そのピアスか…ああ、確かにそのピアスは自分のものだな。
気づかなかった」

遠雷紬
「……ツ、……ヒュツ…」

フェイ
「あのピアスは 君のものなのだね……」

カレブ
「ふむ。だがそのピアス、そんなに分かりやすくてすぐ取れる場所に
落ちてるなんて、わざとらしくないか?
それも犯人が私に罪を被せるために置いたのかもしれないぞ。」

花柳玲子
「それはどうかしらぁ?……状況的に、犯人は描成さんに罪を被せようと
していた…でしょう?そこにさらにカレブさんを、なんておかしいと
思わない?」

緑紅茶
「だいたい、軍人からピアスを盗む奴なんているのか?」

比与森閑古
「たまたま落としてたのを誰かが拾って……とか?」

琴ノ緒閑寂
「たまたまにしちゃ出来すぎだろ」

エリアス
「ピアス…落とされていることに気付いてはいなかったのですね…」

カレブ
「ん。気づかん。そんな些細のことで反応できる程敏感ではない。」

夜見塚灰慈
「鈍っているんだな」

モノエル
「でもそれだと、カレブしゃまは丸見えの証拠を残して現場を去ったことに
なりましゅ。回収すれば済む話なのに、なんでそんなことしたんでしゅか?」

花柳玲子
「光っていて、色もこーんなに見つけやすいピアスに気付かないとは
思えない。ワザと置いていく意味はもちろんないし……、
…回収できなかった、違うかしらぁ?」

モノエル
「あんなに取りやすい場所にあったのに、
なんで回収できなかったんでしゅかね?」

フェイ
「…おそらく あのピアスは屈まないと取ることができなかったのでは
ないだろうか?たしか君は事件当日の昼過ぎにやった身体測定では
膝を曲げて 【しゃがめない】から スクワットが測定不可になってた。
だから回収したくても できなかったのではないだろうか?」

【測定不能者】
体力測定にて一部測定できなかった人が載っている。
【25m水泳】エリアス・ユウヒ(泳げないため)
【シャトルラン】天城(体調不良)
【スクワット】カレブ(義足で膝の屈伸運動が不可能なため)
【腕立て伏せ】琴ノ緒(体調不良)

カレブ
「誤解を説くために説明する必要があるな。
先ほど言ったように。ピアスは自分が落としたものだ。」

カレブ
「ピアスは昼に飯を食う時に落として、後で誰かに取ってもらおうと思って
忘れていたんだ。忘れていたとは恥ずかしい」

カレブ
「そのピアスは事件より前に厨房で落としたんだから、私は何の関係もない。
そういう事だ。」

夜見塚灰慈
「……夕食後に厨房は清掃される。その時点でピアスがあったなら、
落とし物として回収されているはずだろう…。
……このピアスは夕食後に、お前が厨房に入った証拠なんだよ」

【清掃時間】
厨房と食堂は夕食後に清掃することになっている。
誰かの忘れ物などはその時回収して落とし物ボックスにいれることになっている。
BREAK!!!





モノエル
「さて…議論をしたら、次はクロを決めねばなりましぇん。
ここに探偵がいて名指しをするわけでもありましぇんし、
ここは一般的によくある【投票】とするでち」

モノエル
「クロだと思わしき人物に投票し、見事それが当たれば皆しゃまの勝利。
もしクロを間違えれば、真犯人の勝利。
皆しゃまの清き一票で明日が決まるでしゅよ」

描成絵智
「投票って……」

エリアス
「……決定的なことはありませんが…状況から判断するしかありませんね」

フェイ
「…………………… ……ふむ」

踊瀬舞円華
「なんか嫌な感じだね……」

糸色恋花
「……ほんと やだ」

モノエル
「投票の結果…毒桃京知を殺害したクロは、
元超高校級の軍人、カレブしゃまとなりました!」

モノエル
「ドッキドキの結果は………大正解でしゅ~~!
殺人犯はカレブしゃま!いやー惜しかったでちね、突発的な犯行なのに
描成しゃまに罪を擦り付けようとするあたり、素晴らしい行動力でちた!」

カレブ
「ふふ。そうだろう、そうだろう。自分でも上手くできたものだと思うぞ。」

フェイ
「……笑っているのかい?」

糸色恋花
「…………なん、で……カレブさん、なんで、なんでっ……」

茶渡利三沙
「ふむ、先程はシラを切っていたわけだ」

カレブ
「バレては意味がないがな。やれやれ…」

黒羽麗
「なんで……そこまでしたの?」

滑川ぐみ
「……そんなに、知られるとまずい秘密だったのか……?」

カレブ
「まぁ、秘密以外にあり得ないだろうよ。無意味な殺生は私とて好まん。」

モノエル
「カレブしゃまの秘密は毒桃しゃまに渡りまちた。
どーしても秘密を知られたくないカレブしゃまは、
毒桃しゃまをあっさりさっくり殺してしまったわけでしゅよ」

カレブ
「毒桃も残念だな。
私の秘密が届かなければ殺されることも無かったろうに。」

糸色恋花
「なんでそんなこと言えるの、そうしてられるの、わけわかんない……っ!」

エリアス
「…無意味な殺生……その割には痛々しい様子でしたが…」

描成絵智
「…じゃあ、僕は、巻き込まれただけってことかよ」

モノエル
「そんなカレブしゃまが、人殺しをしてまで隠したかったこと…
なんだと思いましゅ?気になりましゅよね、知りたいでしゅよね!」

カレブ
「おい。モノエル。」

モノエル
「ててーん、秘密の手紙(予備)!さてさてカレブしゃまの秘密は…」

カレブ
「やめろ。」

モノエル
「超高校級の軍人、カレブが元になった理由は
【上官によって足を吹っ飛ばされて、ムカついて軍を
半壊させちゃった★】でしゅ」

天城飴梨
「…は?、 ?」

糸色恋花
「…………知りたくない……」

モノエル
「彼女はそれはそれは優秀な軍人でちた。それを妬んだ上官達が、
地雷でわざと彼女の足を粉砕!結果案山子の出来上がりでしゅ」

琴ノ緒閑寂

モノエル
「趣味の悪い……」
「あれだけ活躍したのに、あっさりと捨てられた彼女は、
自分の所属していた上官を半殺し…中にはほんとに死んじゃった人も
いるかもでしゅね?」

カレブ
「 おいたが 過ぎるぞ チビ。 ここで捻り潰してやろうか 貴様」

モノエル
「で、そんなカレブしゃまの秘密を知ってしまった毒桃しゃま。
当然彼女にも秘密はありましゅ。彼 女の秘密は…」

フェイ
「もういいだろう……」

滑川ぐみ
「毒桃のまで言う必要はないだろ」

踊瀬舞円華
「……人の秘密は勝手に言うものではないと思うよ」

花柳玲子
「…言いたいだけなんでしょうねぇ、ただの嫌がらせだわぁ」

モノエル
「毒桃京知は【ダイエットしてるのに昨日の夜中に
ドーナツを食べてしまった】でしゅ」

カレブ
「…はぁ?」

比与森閑古
「そういうのもあるの……?」

茶渡利三沙

滑川ぐみ
「…可愛らしい秘密だな」
「……程度の差はなんとなく予想できてたが、そんな……」

カレブ
「程度が違うにも程があるだろう、何だそのくだらない秘密は…!」

黒羽麗
「秘密に良いも悪いもなくない?
……てか、人殺しといて言えた台詞じゃないっしょ」

フェイ

モノエル
「人の秘密をくだらない……か…」
「そうでしゅよ。毒桃しゃまはそれくらいしか秘密がなかったんでしゅ。
至って健全な人生を送ってこられまちたからねぇ」

モノエル
「真面目で、両親とも仲が良く、酷い虐めもなく、モデルだからと
いやらしいこともせず、真面目に健やかに生きてきた人でしゅから。
そんな子が殺されたんでしゅよ」

エリアス
「…一般的な家庭の普通の方でした」
