Prologue
Prologue-カスタード協会-後編

モノエル
「本当は日を改めて自己紹介を兼ねたパーティをする予定だったけど、
ここで一足先にエルから皆しゃまの紹介をさせて頂こうと思いましゅ。順に1人ずつご紹介しゅるので、一言反応をもらえたら嬉しいでしゅ!」

モノエル
「では最初に…元超高校級の読者モデル、毒桃京知しゃま。
元気で明るくて、雑誌の一面を飾るのにふさわしい人柄だと思いましゅ。
モデルは細くてスリムだけじゃないことを証明してほしいでしゅ!」

毒桃京知
「スリムじゃなくて悪かったわね!!
これでも一時は超人気モデルだったんだから!」

モノエル
「元超高校級の評論家、糸色恋花しゃま。
地味で目立たない?いえいえ、慎ましやかでお淑やかな方でしゅよ。
主に才能を評価する専門家、ここにいる皆しゃまのことも
よーく見て下さることを期待していましゅ」

糸色恋花
「……えっと、私…………いとしき、糸色 恋花……高校二年生です。
元……、超高校級の評論家、だったわ。
わ、私はおしまい、おしまい……!」

モノエル
「こちらは一部特化型の評論家、元スイーツ評論家の、天城飴梨しゃま。
甘いお菓子を辛口に評価。キツいと称されることはあるものの、
その手腕で多くのパティスリーを再生させてきた実力の持ち主でしゅ。
彼女が埋もれているのは、スイーツ界のとって損失でしかありましぇん」

天城飴梨
「あぁ…?あー、あたしか。あたしだわ。
言っとくけどスイーツ以外まじでわかんねえから よろしく〜」

モノエル
「スイーツとは毛色が違いましゅが、元超高校級の悪食家、夜見塚灰慈しゃま。
知る人ぞ知る悪食で有名でしゅが、お身体がちょっぴり心配なエルでしゅ。
ここではほどほどに、楽しいお食事ができるようお手伝いするでしゅよ!」

夜見塚灰慈
「夜見塚と申します。少し、…うん。まあ、…か弱いです。
宜しくお願いします。(微笑んで)」

モノエル
「元超高校級のピアニスト、琴ノ緒閑寂しゃま。
今は演奏より作曲を生業とされていて、生活のどこかで彼の曲を耳にした
ことがあるはずでしゅ。その音の才能を、ここにいるダンスや歌の才能の
方のためにも是非生かしてほしいでしゅ!」

琴ノ緒閑寂
「……(はっ)、琴ノ緒閑寂だ。閑寂さんでいい。
まあ自己紹介は必要ないと思うが礼儀としてな。どうぞよろしく」

モノエル
「早速ダンスの才能をご紹介。元超高校級の競技ダンサー、踊瀬舞円華しゃま。
世界的に有名なダンサーとして、一度はお見掛けした方も多いと思いましゅ。
思わず眼を惹く優雅な身のこなし、長い脚での華麗なステップ!
エルもよくテレビで見てたでしゅ」

踊瀬舞円華
「……もう随分と前の話だけれどね。ええと、私は踊瀬舞円華です。
ふふ、どうぞよろしくお願いいたします」

モノエル
「今度は歌の才能、元超高校級のボーカリスト、遠雷紬しゃま。
高校生バンドraInのメンバーとして聞いたことがあるかもしれましぇんね。
今は活動休止中でしゅが、ここでの生活で再び歌声を聞けることを
楽しみにしているでしゅ!」

遠雷紬
「……(困ったように周りを見てから小さく会釈)」

モノエル
「元超高校級の歌姫、メアリー=アリア・カンタービレしゃま。
同じ歌手でもこちらはオペラ歌手とちて活動しゃれていまちた。
天使と呼ばれた美しい歌声が福音のように降り注ぐ光景はましゃに圧巻でちた!
また多くの人がそれに立ち会うことができる日を楽しみにしていましゅ」

メアリー
「あらぁ、そんなに大層な者じゃありませんよぉ。
うふふ、はじめまして。メアリー=アリア・カンタービレと申します。
以後、よろしくお願いしますねぇ。」

モノエル
「元超高校級の変面師、面屋敷浪漫しゃま。
先の皆しゃまとは少し違った舞台のお方。変面とは次々に面を変える
伝統芸、その才能ゆえに舞台に上がっても彼を覚えている方は少ないかも
しれましぇん。けれど舞台上の美しさに耳に残る声は間違いなく
本物の才能でしゅ!」
「に〜はお。面屋敷浪漫です。みなさん仲良くしてくださいね♪
(満面の笑みで両の手を振り)」

面屋敷浪漫

モノエル
「またも変わった舞台の才能、元超高校級のきぐるみアクター、滑川ぐみしゃま。
中に人などいない、そこに立つ着ぐるみに命を与える素晴らしい役者さん
でしゅ。SNSでちょっとした騒ぎはあったけど、着ぐるみなしで
滑川しゃまは語れないでしゅ!」

滑川ぐみ
「む、……まあ、紹介の通りだ。よろしく」

モノエル
「元超高校級の茶道部、茶渡利三沙しゃま。代々茶道を極めた名門に
生まれたお茶のサラブレット!ちょっぴりやる気がないところが玉に傷で
しゅが、それを補ってあまりある才能を存分に生かしてほしいでしゅ」

茶渡利三沙
「お、私か。 茶なら気分が乗っていれば立てるよ。よろしく」

モノエル
「元超高校級の紅茶ソムリエ、緑紅茶しゃま!
和と洋の血筋を受けつぐ、生まれながらのお茶の伝道師。
どんなお茶をいれてくれるか、楽しみにしてましゅ!」

緑紅茶
「…よろしく」

モノエル
「お次は元超高校級のプレゼンター、赤音問しゃま。大会に出れば全戦全勝、
向かうところ敵なしのまさに世界一のプレゼンターしゃんでちた!
素晴らしいものの素晴らしさを伝える素敵な才能でしゅ。雄弁に語るそのお姿を
ぜひとも我々とともに取り戻しまちょう!」

赤音問
「んあ、俺!俺はプレゼンターの赤音問! 天才だからよろしゅーな!!」

モノエル
「元超高校級のメイド喫茶店員、ユウヒしゃま。男性の身でありつつ、
メイド喫茶でグランプリを勝ち取った正真正銘のメイドの技術は
本物でしゅ!ほんのちょっと詐欺にあった気分でしゅが、そのメイド力を
見せつけてほしいでしゅ」

ユウヒ
「はぁ〜い♡ よろしくねっ(ピース)」

モノエル
「元超高校級のイラストレーター、描成絵智しゃま。幅広い層に人気のあった
イラストレーターしゃんで、SNSやポスター、ゲームなど見ない日は無いほど
でちた。実力は折り紙付きでしゅから、新しい環境で新しい発想を得て、
ステップアップしていただきたいものでしゅ!」

描成絵智
「あ!はい!描成絵智と言います!よろしくお願いします!
モデルはいつでも大募集中です!」

モノエル
「元超高校級の王様、フェイ カヴァネしゃま。なんと某国の正真正銘の
王様でしゅ!しかし彼も【元】として称号を剥奪された身…
お国とお偉方の事情は複雑でしゅ。ここでは身分の差はないでしゅから、
いち参加者として生活してくだしゃい」

フェイ
「んんッ……初めまして 我が名は フェイ・エマニュエル・ハゥルウィル・ソフィア・フェイゼル・ジャ・カヴァネ 。
大層な元肩書きではあるが 気後れせずに… ふむ……そうだね。
竹馬の友のように 親しくしてくれると嬉しい」

モノエル
「そんな王様に付いてきた元超高校級の宰相、エリアス サルヴァドールしゃま。国と王様のために尽くしてきた方で、フェイしゃまと一緒に応募してくだしゃいまちた。お二人とも日本での生活は不慣れだと思いましゅけど、がんばってくだしゃい!」

エリアス
「…あぁ、私ですね。元、ではありますが宰相をしておりました。エリアス・サルヴァドールと申します。以後、お見知りおきを。」

モノエル
「元超高校級の従者、リリーしゃま。こちらも誰かに仕えることを専門とした方でしゅが、とってもムーディでアダルティでしゅ…ここの生活において、その能力はきっと皆しゃまの役に立つと思いましゅ。是非とも困ってる人をサポートしてあげてほしいでしゅ」

リリー
「ぁ、はぁい♡わたくし、リリーと申しますわ~。
よろしくお願いしますねぇ。 ふふふっ」

モノエル
「元超高校級のシスター、黒羽麗しゃま。シスターと言えど清廉潔白なだけが
癒しじゃない、を体現したお方でしゅ。悩めることも多いと思いますし、
当施設には教会設備もありましゅので、是非ご利用くだしゃい」

黒羽麗
「いえーいよろしく〜☆迷える子羊とか大歓迎なんで、そこんとこよろ〜」

モノエル
「元超高校級のカウンセラー、心条裁己しゃま。人の話を聞く専門家、
何かと悩みの多い皆しゃまの心良き相談者になってくれそうでしゅね。
けれども自分自身も大事にして、悩める心をお助けくだしゃい。
…ところでその目、見えてるんでしゅか??」

心条裁己
「ふふ、ちゃんと見えてますので、ご安心を。皆さん、どうぞよろしくお願い
致します。お悩みなどがあれば、どうぞお気軽に」

モノエル
「お次は少々変わり種、元超高校級のひよこ鑑定士の比与森閑古しゃま。
おっとりして見えましゅが、一般人には見分けのちゅかないひよこの雌雄を
一瞬にちて見分ける観察眼の持ち主でしゅ!派手で目立つことだけが偉いんじゃ
ないでしゅ。小さな違いを見分ける才能は他にも応用が効きそうでしゅね」

比与森閑古
「ん?あ、おれの番?わー、比与森閑古でーす。みんなよろしくねぇ」

モノエル
「こちらも国のため働く才能、元超高校級の軍人、カレブしゃま。
鍛え抜かれた体に抜群の戦闘センスで数多くの戦場を渡ってきまちた。
ここでは皆しゃまの共同生活でしゅから、何かトラブルがあった時も
ぐぐっと仲裁として頼もしそうでしゅ!」

カレブ
「む、私か。紹介された通り軍人だ。仲裁はしてやっても構わないが
骨が折れても責任は取らん。喧嘩はほどほどにしておけ」

モノエル
「最後に、一番最後にやってきた遅刻しゃん。
元超高校級のバレリーナ、花柳玲子しゃま!しなやかなのは身体だけじゃなくて
性格もでしゅね…のびのびと舞台で舞う姿、期待してましゅ!」

花柳玲子
「花柳よぉ。……来たかったわけじゃないけど成り行きでねぇ、
適当に遅れたら迎えも帰るかと思ってたけど律儀にずーっと
待ってるんだものぉ。……まあ、適当によろしくしてくれると助かるわぁ」
全員の紹介が終わると同時に、ちびエル達が戻ってくる。
部屋の準備が終わったらしく、各自の前に小さな電子手帳が置かれた。

モノエル
「おまたせしたでしゅ!お部屋の準備もできたので、ご挨拶はこれにて解散。
あとは自由に過ごしてくだしゃい!
電子手帳は施設の情報が入ってる他、各お部屋の鍵にもなってるでしゅ。
無くさないように気を付けてくだしゃいね」

毒桃京知
「ふーん、ようはここで過ごす身分証みたいなもんだと思えばいいの?」

カレブ
「かなり金をかけているように見えるな。
王や宰相もいるし当然の計らいと見るべきか」

心条裁己
「鍵としても使うとなると……無くすと一大事ですね、気をつけなくては」

描成絵智
「ありがとうございます!無くさないようにしますね」
モノエルはお辞儀をすると、再びはばたいてどこかへ飛び去っていった。
才能を磨くべく集った(はず)の22人と送る日々に何が待ち受けているのか。
見知らぬ場所、見知らぬ人物達と共に過ごす時間に抱いたのは、期待だろうか?不安だろうか?
それとも、これから訪れる悲劇への胸騒ぎだろうか?

