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Chapter1-根暗で非リアな彼とシたい!-(非)日常編
モノマミーはため息を吐く。
何も、起こらない。
誰もが下らないと一蹴した「下着泥棒事件」から一週間ほど経過しただろうか。
更正の為にコロシアイをしろ、等と言われてからは更にしばらく経つ。

モノマミー
「それでも君達はクズなのかい?本当にクズの集まりなのかい?
クズって自覚ある?ない?あ、そう」
そしてモノマミーは考える。
何も起こらないのならば、焚きつければいいと。
よく燃える油だけを用意しても火は起こらない。当たり前だ、火種がないのだから。

モノマミー
「まずは…そうだな、軽いものから投げ入れようか」
数刻後。
のんびりだらだらと過ごしていた彼等は、突拍子もなく流れてきたアナウンスに首を傾ける事となる。

モノマミー
「諸君、ごきげんよう。相変わらず退屈そうな顔をしているね。
わかる、わかるよ。僕も退屈なんだ。」

モノマミー
「そこで、だ。優しくて可愛いこの僕が、きっかけを作ってあげよう。
こういうのはマスコットキャラクターの定番だろう?
お約束、とも言うのかな。」

立板清水
「オヤクソク~?」

檻川喪中
「ねーねー人いつ死ぬのー???ねー!!」

西表東裏
「全く可愛いとか思えないんだけど……そこは今更か」

モノマミー
「やかましいよ君達。さて…。
君たちは、この施設に入れられる前後の記憶はあるかな?」

モノマミー
「恐らく、記憶は途中から不自然に途切れていることだろう。
…中には記憶喪失の者もいるけど。」
その言葉に、そういえばと思い返してみる…が、この施設に来る直前のことは
誰一人として浮かび上がることがなかった。

月蔵値
「言われてみれば……」

丹國糸緒
「記憶ですか〜……そういえば無いことに今気付きました」
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捌目密目
「記憶喪失ねぇ。一体ナニをされたんだか……おお怖い怖い」

春暁院優一郎
「…………」

宇都病音
「んーー…来る直前…思い出せないなぁ…」

モノマミー
「諸君らの飛んでいる記憶…。返すと言ったら、欲しいと思うかい?」

モノマミー
欲しいと思うならば、誰かをコロすといい。
そうしたら、記憶を返してあげよう」

木乃伊吹
「はへー、返したりとかできるもんなん?」

篝蛍狐
「……そんなんで返せるもんちゃうやろ」

モノマミー
「勿論裁判に勝つことができたら、というのも条件に含まれているけれどね。
それでは。素敵なイベントを期待しているよ。」
アナウンスはそう言って途切れる。
提示された条件への反応は様々だろう。
しかし、これまで気にしてこなかった「記憶」の存在をちらつかせたからといってコロシアイなど起こるのだろうか。

春暁院優一郎
「おやおや……現実味のないお話しですね」

金鉛銀華
「ファンタジーなのは見た目だけにしていただきたいものです」

篝蛍狐
「…どんなけ人殺させたいねん、イカレが」

宇都病音
「いみわかんないーぶーぶー」

月蔵値
「意味わかんないよねえ」
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捌目密目
「たかが記憶されど記憶……その価値は人それぞれなんじゃないの」

梅藤紅謜
「たかが記憶でコロスとかコロさないとか……バカじゃねえの」

西表東裏
「つーか、記憶欲しさに誰か殺すとか…
…記憶喪失の奴が一番やらかしかねないな」

ロー
「…記憶を…返す…」

立板清水
「あたし、言われるまでここに来る前後のこと忘れてたこと忘れてた ~
あはっ!」

モノマミー
「あ、そうそう忘れてた」

モノマミー
「水道管の工事の関係でね、少しの間個室のシャワーが使えなくなってるんだ。
お風呂に入りたい子は浴場へ行くように。
今度こそほんとに、以上!」

一条貴咲
「ふん。それぐらい、さっさと直しておけ」

鴉羽虹輝
「…ちょっと不便だね」

金鉛銀華
「施設の管理くらいしっかりしていただきたいものです」
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捌目密目
「裸の付き合いってやつかな?強制だけど」

月蔵値
「ちょうどいいや、お風呂入ってスッキリしよーっと」

梅藤紅謜
「なんで他人が浸かった湯に入らないとなんねえんだ……クソッ…」

西表東裏
「……意外と潔癖症なんだな。メンタルが弱いせいか」

梅藤紅謜
「メ、メンタルは関係ない…し……」

刺殴毒焼
「じゃあぱんぱんいちばんぶろだー?」
…それ以上モノマミーの声は続かなかった。
平穏のぬるま湯に浸かり、どこか安穏としていた者達の内、何人が真剣にとらえただろうか。
モノマミーの不快な声が耳の奥に残り、何人かのため息が静かに漏れたのであった……。