chapter2-番子の墓に呼子鳥-
chapter2-番子の墓に呼子鳥-裁判中編
琴ノ緒閑寂
「……比与森を殺して外に出て、1階に降りようとしたら階段下で
天城が死んでたんだよ。咄嗟に天城が殺したことにすればいいと思って、
死体から手帳を盗んでバーに記録を残したが、死体に戻す前に死体が
見つかって、戻せなくなったんだ」
リリー
エリアス
「あらあら~大変でしたのねぇ~~」
「……死んでいた…」
黒羽麗
「……本当に?」
花柳玲子
「クロである、と認めた以上。あともう二人の殺害を認めないのは
無意味よねぇ。だってどちらにせよ琴ノ緒さん、もう……ね、確定だもの」
琴ノ緒閑寂
「ああそうだよ、本当に知らねえよ。嘘をつく意味がねえもんな。クソがよ」
花柳玲子
「琴ノ緒さんの話が本当なら、彼は比与森さんを殺害した後、
飴梨の死体を見つけ手帳を盗み、バーに記録を残した」
花柳玲子
「琴ノ緒さんはずっと2階にいたなら、いつ飴梨の部屋にナイフを
隠しに行けたのかしらぁ?」
モノエル
「ふむふむ…滑川しゃまと天城しゃまを殺害した犯人は別にいる、
と言いたげでしゅね。まぁ犯人が1人だなんて決まってましぇんからね、
先着順とかじゃないし」
琴ノ緒閑寂
「俺は知らねーっつってんだよ。人殺しだからって別の人殺しもやった事に
されたらたまったもんじゃねえっての」
モノエル
「もしクロが二人いた場合もルールは変わりましぇん。
クロが皆を欺ききればクロ以外が、シロがクロを当てればクロだけが
オシオキでしゅ。この場合クロは二人とも当てなければいけましぇん。
で、生き延びるクロは欺ききった方だけでしゅ」
茶渡利三沙
「複雑なことを考えるのは面倒だなあ、茶が飲みたい」
糸色恋花
「相変わらず腹立つシステムね」
モノエル
「当時の2階の状況をもう少し知りたいでちね。誰か何か知りましぇんか?」
メアリー
「あら、そうですねぇ……保健室を何名か利用されたようですよ」
リリー
「喫煙室でずっと1人で煙草吸ってたわよ。
そういえば途中でガラスが割れるような派手な音が聞こえたわね。
騒ぎに関わるのは嫌だから見に行かなかったけどね」
描成絵智
「2階の方が静かだったので…僕、保健室で寝てたんです…。
騒がしくて目が覚めて…外に出たら教会の扉が…開いてて…滑川さんの
死体が見えて…。慌てて駆け寄ったら…も、もう死んで、ました…」
【保健室の利用記録】
事件当日の利用記録が残っている。
糸色蓮華:包丁で指を切った
フェイ&エリアス:フェイが捻挫。エリアスは付き添い。
描成絵智:腕の治療
フェイ
「そう言えば捻ったね……」
糸色恋花
リリー
「だってほら、面倒くさいのも疑われるのもごめんだものねぇ~ふふっ」
「…包丁使ってたのにぼんやりしてたわ」
ユウヒ
「あれれ〜、ちょっと待ってください〜。同じ2階にいて、なぜご主人様─
─ええと、猫成ご主人様はガラスの割れる音を証言していないんでしょう?
酒瓶がいくつも落ちて割れる音なんて、隣の部屋にいて聞こえないわけない
じゃないですかぁ〜?」
花柳玲子
フェイ
遠雷紬
「……そういえば、たしか滑川ちゃんを最初に見つけたのも
描成さんだったわねぇ」
「ふむ……」
「……(心配そうに描成を見ている)」
メアリー
「あら、そう言われますと………?」
夜見塚灰慈
「…………。」
花柳玲子
「ねえ描成さん。……最初に見つけたふりをして、自分の返り血をごまかした…
とか、どう?」
描成絵智
「そ、そんな…こと……っ」
描成絵智
「それは……怪我の……せいで…保健室でぐっすり寝入ってて…。
…お、起きたのは…天城さんの死体が…見つかったときの騒ぎで……。
し、仕方ないじゃないですか…っ前の事件からずっと、寝れてなくて……」
描成絵智
「…ぅ…ガ、ガラスの割れる音を聞いていて動かないのは、
リ、リリーさんだって…ずっと1人だったし…紅緑さんだって…
比与森さんの事件に関係なくても……滑川さんの件は…
わ、分からないじゃないですか…」
フェイ
「最近の彼は疲弊していた。深く眠り込む可能性は 十分あるはずだと
私は思うが……」
ユウヒ
「アリバイがありませんから〜どうなんでしょう〜」
花柳玲子
「……ここにまた、更に決定的な証拠が出ればあるいは…ね?
なにか、なかったかしらぁ」
カレブ(笑いながら様子を見守ってる)
毒桃『なに笑ってんのよ、悪趣味ね』
フェイ
「……………少し思ったのだが…」
フェイ
「1回目は遠雷くんが階段下で天城くんの遺体を見つけた時。
2回目は琴ノ緒くんが 教会に入って 滑川くんの遺体を見つけた時。
そして 3回目は茶渡利くんが バーに入って比与森くんの遺体を
見つけた時だろう…?」
フェイ
「なぜ第一発見者である 描成くん…君が 見つけた時に鳴らなかったのか ………
… それは君が滑川くんを殺害した犯人で 第一発見者の振りをしていたから …
…とは 考えられないだろうか?」
遠雷紬
「………」
踊瀬舞円華
「そんな……」
エリアス
「……どうなのでしょうか…(
フェイ
「別の可能性があるのならば 提示して欲しい ……………………頼む……」
描成絵智
「…ぁ……そ、それなら琴ノ緒さんが、天城さんを見つけた時だって、
ア、アナウンスは鳴らなかったじゃないですか…っ!
なら…っ琴ノ緒さんが天城さんを…!」
花柳玲子
「いいえ」
花柳玲子
「……飴梨は転落してから10分程は生きていた。
…飴梨が落ちたのが11時50分、比与森さんが死んだのが12時。
その直後に飴梨の死体を見つけたなら、……ぎりぎりまだ生きていたんで
しょうねぇ」
描成絵智
「………ぅ………ぁ……」