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chapter5-アー・ユー・レディ?-
chapter5-アー・ユー・レディ?裁判後編
なんだ裏切り者が、また何かひっかきまわすつもりかとうんざりした顔を
隠さぬ周りをよそに、心条は続ける。

糸色恋花
「……何」

心条裁己
「皆さん、よく思い出してください。最初にこの施設に来た時のことを、
最初の記録を」


茶渡利三沙
「最初の記録…ああ、確かにあったけれど…あれがどうかしたのかい?」

花柳玲子

心条裁己
「あの記録…って、モノエルが部屋が足りないって言ってたことでしょ?」
「大事なのはそこではありません。あの記録では、モノエルが最後に
入ってきた時点で、扉が【22回】鳴っているんですよ」

モノエル
「あの時点では花柳しゃまはまだ来てなかったから、参加者は22名。
何もおかしくないでしゅよ」

心条裁己
「22名の参加者とモノエルを合わせたら、扉は23回鳴っているはずです。
にも関わらず、扉は22回しか開いていない……つまり、その時点で参加者は
本当は21人で、花柳さんを足してやっと22人になったはずなんです」

リリー
「あら、確かにそうねぇ…」

「分かりづらい。まどろっこしいから、さっさと言いたいこと
言ってくれない?」」
