chapter6-KASU-TURD-
chapter6-KASU-TURD-裁判中編
花柳玲子
「この詐欺集団のことはわかったとして…結局、こいつらの言う黒幕なんて
本当にいるのかしらぁ?コロシアイを誘発するために言った出鱈目…
…なんて線はなぁい?」
琴ノ緒閑寂
『そういや、絶望病の特攻薬の空アンプルってのが8本あったな。
俺はもういなかったからよく知らねーけどさあ』
糸色恋花
「…私も罹ったあれね…あれは思い出すと嫌な記憶になるわ…
合計で6人罹患したって記録にあったわね…」
心条裁己
「絶望病があった時、俺は特効薬を事前投与されていたから
感染しなかった。……俺の分をエリアスか踊瀬に打っておけば、
あの事件は起きなかったかもしれない……」
【絶望病と特効薬】
絶望病に使用された特効薬の記録。罹患する前に投与することで予防が可能。 罹患者は「エリアス」「面屋敷」「踊瀬」「糸色」「花柳」「ユウヒ」 特効薬の空アンプルが8本落ちている。
カレブ
カレブ
『しっかしまぁ確実にこの中に居るだろうな。絶望病の羅漢者は6人だったが
特効薬の空アンプルは8本。罹患者以外に二人事前投与されている』
『そのうち一本を心条に打ったなら、もう一本を打った奴もカスタード教会の
人間。つまり黒幕が確かに参加者の中にいるってことだろう』
カレブ
『うふふ。はてさて、一体誰なんだろうなぁ』
花柳玲子
「つまり……私達6人の中に黒幕がいる、ってことは間違いないと。
…で、誰がそうなのかしらぁ?黒幕に関する資料はいくつか見つかった
けれど、そこから分かることはないかしら?」
遠雷紬
「黒幕とモノエルのお約束事項…ってのがあったけど……多すぎない?」
【黒幕のお約束事項】
モノエルが黒幕へ送った書類のようだ。
①紅茶は毎日飲む。
②天使様を大事にする。
③絶望し過ぎない程度に参加者を元気づけてコロシアイを続行させる。
④酒とたばこは禁止。
⑤モノエルを可愛がること。
…他にもどうでもいい規定がいくつか並んでいる。
琴ノ緒閑寂
『幼児との約束かよ』
黒羽麗
『マジでどうでもいいことしか書いてない……』
描成絵智
『かわいがるの項目……いる……?』
カレブ
『いらんな』
ユウヒ
『5項目目は間違いなく自己満足だろ。クソったれが』
モノエル
「いーりーまーしゅー」
比与森閑古
「あのさ、この黒幕のお約束事項ってやつ……【酒とたばこは禁止】って
書いてあるけど、もしかして黒幕って【未成年】なんじゃ
ないかな……?」
毒桃京知
「だとしたら、生き残ってる人で未成年っていうと…糸色ちゃん、心条さん、遠雷ちゃん、茶渡利ちゃんの4人よね。
でもそれだけじゃなぁ…もうちょっと何か黒幕のことがわかる情報って
ないの?」
毒桃京知
「心条さんって未成年よね…?よね???」
ユウヒ
心条裁己
『なんでそこで不安がる毒桃』
「未成年だ、……よく間違えられる」
描成絵智
『……(心条さんって実は僕より一回り年下なんだよな……)』
滑川ぐみ
『信者からモノエルにあてた手紙を見つけたけど、気になることが
書いてあったな』
【信者からの手紙】
モノエルに送られた手紙。
「――この度、我が息子を儀式の責任者に抜擢してくださり、誠に感謝の意でございます。
代々カスタード教会に仕えてきた我が一族の中から、そのように誇り高い役割を与えられる
ことは、末代まで奉られることでしょう。――」
滑川ぐみ
『……この手紙って、黒幕の家族から送られてきた手紙……だよな?
これ……息子、って書いてあるってことは、黒幕って【男】、って
ことになるよな?』
毒桃京知
「男で未成年…となると、心条さんしかいなくなるわけだけど…
貴方は公安、モノエル達とは敵対しているのよね?
それとも、それすらも演技なのかしら?」
ユウヒ
『俺と黒羽意外で男だってこと隠してないか、それとも年齢を偽ってないか
くらいじゃないか』
リリー
「皆隠すのが大好きか~裁己ちゃんが三回転してるかの二択~?」
心条裁己
「トリプルアクセル説か、はは……冗談がキツいな」
黒羽麗
『サイコぴ大回転じゃん。ウケる。
てかコレうる生きてたらめちゃめちゃ疑われてたやつじゃね??怖ッ』
花柳玲子
「うーん…本当に未成年の男って、心条さんしかいないのかしらねぇ」
メアリー
『あら、そういえばこれもありましたねぇ。確か…参加者の名簿が』
【名簿】
参加者一覧が記された名簿。以前に破れた状態で見つかったものの原本。
ユウヒ
『ゲェ、原本あるんだ』
面屋敷浪漫
『ゲェ〜ですね』
遠雷紬
「……この名簿は、性別と才能を50音で分けられています。
右側が男性で、左側が女性……ですよね。」
遠雷紬
「…………、…前にも私に教えてくれたから、嘘とは思ってないよ。
……三沙、やっぱり右側に書いてあるんだね。」
茶渡利三沙
「んー、まあそうだね。紬と裁己、茶には言ってあったからね?」
茶渡利三沙
「なるほど、確かに私は女の格好をしているが…れっきとした男だ。
けれどさ、それを今まで秘密にしてたわけじゃないよ。現に何人かは
私が男だということを知っている。本当に黒幕なら、最期まで隠し通すさ」
エリアス
『…何故、偽っていたのです?』
茶渡利三沙
「え、偽ってる理由かい? ばあ様が甘やかしてくれるからだけど」
カレブ
『自分の素性偽る奴多すぎないか』