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*番組録画はPC版でご覧ください
chapter4(非)日常編―世紀に産気づいた鴉の雌雄を求めよ―
その日は朝からひどく窓が風で煽られていた。
この島の四季がどのようなものかはわからないが、
昼を過ぎるころには一目で吹雪と分かる白い礫が窓を執拗に叩いてくる。
耳障りな音から目を逸らせば、暖房のきいた屋内はなんとも快適であった。
ここ数日の不安定な天気の締めと言わんばかりに、外の景色は白く霞んでいる。
そんな景色に、モノホネの声が混ざり込んできた。

モノホネ
あーあー、マイクテス、マイクテス。
皆様は天気の神様に嫌われたようですね、ひどい荒れ模様です!

モノホネ
コロシアイ以外で、遭難者が出ても困りますね…。
今から【屋外エリアの立ち入り禁止】とさせていただきます。
具体的に言うと雪にはしゃがず外出せず大人しくしてなさい!

モノホネ
せっかくスケート大会を予定していたのに…
この荒れっぷりでは、さすがにスケートリンクも使えません!
大会は中止ですね…とほほ…数日もしたら吹雪も止むでしょうし、
日程をずらすこととしましょう!
悪天候が続き外出禁止令が出てしばしの事…。
吹雪に断絶された扉は硬く閉ざされ、ますます雪はその厚みを重ねていた。
娯楽施設を利用できない現状に、時間を持て余す生徒も多いことだろう。
いつも通りの体育館集合もなく、各々がばらけて行動している。
以前は歩いていれば誰かに出くわすことも多かったが、半分に減った今ではそれもめっきり少なくなった。
風を切る音が悲鳴のようにも聞こえ、早く過ぎ去れと空を見上げた…そんな時だ。
ガコン
何か大きな電子音がしたあと、蟲の羽音に似た振動音が静かに響き、ゆっくりと途絶えていった。
ほぼ同時に、一瞬にして視界が暗転し、雪が窓を叩く音と自分の呼吸音だけが耳に残る。
窓から入る雪の反射光だけで、かろうじて室内が映し出されぼんやりと壁や床の判別がつく程度だ。
ひどく、暗い。

砂六々子
ななな、何すか!?

万針集
え、なに…?停電…?誰かいるー?

夏露島陽向
ん?なんだ???

千夜よだか
わっ?!な、なに……?!

神楽坂棗
え、なに…?!
こつり
こつり こつり
こつ
こつ
こつ
その音は、貴方のすぐ背後からやってきた。

モノホネ
あーあー、メガホンてすてす、みなさーん、ご無事ですかー?
ぽてぽてと暢気な足音と、暗闇にぽっかり浮かんだ丸い光がこちらへ近づいてくる。
ランタンとメガホンを両手に下げたモノホネの輪郭が見えると、
いくらデフォルメ化された骸骨でも若干ホラーっぽさがあった。
それぞれが単独行動中なだけあり、暗闇の中で自分一人

貴花比嘉
なんなんだ………怖、じゃなくてどうなってるんだ…!

夏露島陽向
ん?無事だぞ!!ホネ?!!

千夜よだか
ヒィーッ!!!!もうお化けは勘弁だってー!!!!!(クソデカ声)
ハッ……!!ホネですか……。

モノホネ
ただいま、島の制御システムがダウンし、全領域が停電状態となっております。そのため、復旧まで校舎設備停止&制御室の立ち入り禁止とさせていただきます

板張硝子
ど、どうしよう......

夏露島陽向
????(難しい単語ばかりでよくわかってない顔)

万針集
…今度もなんかのイベント?もしかしてまたモノホネの仕業じゃ…
