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*番組録画はPC版でご覧ください
chapter4非日常編―世紀に産気づいた鴉の雌雄を求めよ―

モノホネ
皆様、大変お待たせしました。ようやくシステムが臨時復旧できました。それに伴い各施設・屋外の立ち入り禁止を解除致します。いやー、私がんばった。突貫工事だけどがんばった。
徹夜明けが終わってハイなのか、やけに上機嫌なモノホネの声がスピーカーから流れてきた。
しばし不便だった生活もようやくもようやく終わりかと、溶けて低くなった積雪を踏みしめる。

モノホネ
これより、先日先延ばしとなったスケート大会を開催します。大会の説明を致しますので、皆様ウィンターエリアのロッジへ御集りください
お疲れ様というやつだな!ホネ!!

夏露島陽向

万針集
えぇ…結局やるの…?

砂六々子
はいっすー!
あっ結局やるんですか……

千夜よだか
はぁ……寒。

神蔵亜楽汰
空は澄み渡り、冷たい空気に暖かな日差しが程よく肌を刺激する。
雲一つない真っ青な空に昇る太陽を眺めるのが、随分と久しぶりな気がした。
ロッジへ向かう途中スケートリンクを眺めれば、エッジの痕1つない鏡のような湖面が光を反射しきらめいている。
あの中で滑るのは、中々に気持ちがよさそうだ。

夏露島陽向
ふむ、スケートとかしたことないが大丈夫だろうか??(首傾げ)

砂六々子
スケート、貴花サンと練習してきたっす!ねっ、貴花サン!

貴花比嘉
もちろん。俺がいるからには優勝間違えなしだろう!

夏露島陽向
おぉ!良かったなゴム子!!貴花も優しいんだな!!
そんなことを思いつつロッジに向かうと、ログハウスに不釣り合いな分厚いシャッターが入り口に降りていた。
無機質で温もりのぬの字も感じさせない金属の板を見ていると、モノホネがリモコンをぽちぽちと操作し始める。

モノホネ
ここ最近の吹雪対策で、防災システムが稼働したのですね。
今開けますよ。ぽちっとな

万針集
こうい うとこばっかしっかり作られてるんだね…。
低い音を立てながらシャッターが収納されると、室内の暖かな空気が頬を撫でる。
寒空で冷えた体を包み込まんばかりに、ロッジの中へ足を踏み入れた。
そこには
冷たくなった板張硝子が横たわっていた。


千夜よだか
え?

神蔵亜楽汰
は?

貴花比嘉
………は。

夏露島陽向
板張!!!どうした!!?

万針集
……っ

砂六々子
え……?????

モノホネ
おやおや、これはこれは。
せっかくですし、たまには私の美声もいいでしょう。

モノホネ
死体が発見されました。死体が発見されました。
一定の捜査時間の後、『学級裁判』を開きます。
無機質ながらに愉快と言わんばかりのモノホネのアナウンスに、一気に部屋の空気が冷たく感じた。
暖かな暖炉の明かりと裏腹に、肺の中が凍てつきそうに痛くなる感覚。

砂六々子
なんで……

夏露島陽向
……なんでこうも…俺は守れないんだろうな(ぎゅっと拳を握り)
chaptr4非日常編―世紀に産気づいた鴉の雌雄を求めよ―
開幕



遺品「煤けたエプロン」
どこにでもあるエプロン。
よく見るとゴミバコっぽい柄がある。
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