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Chapter２－クズも鳴かずば叩かれまい－（非）日常編
まずは二人。
十八人中の、二人だ。
モノマミーは今日も一人大きなため息を吐く。
これでは全員を更正するまでに、どれほど時間がかかるやら。
先が思いやられると、いびつな丸い頭を抱えた。
見ているだけでは進まない。変わらない。何事もそうだ。
そこにあったとしても、あることを認知しなければ夢のように無いに等しい。
とある日のこと。
慣れてきたルーティンに従って各々目を覚ます。
ふと、一人が違和感を覚えた。
身体の一部が、微かに重たいような？
自身の利き手を、視界に入る位置まで持ち上げる。やはり少し重みを感じる。
それもそのはずだ。
自身で取り付けた覚えの無い、腕輪のようなモノがついていたのだから。
モノマミーのアナウンスだ。今日は、声色がどことなく浮かれているように聞こえる。
押し付けられた「プレゼント」をよく見れば、輪の一部がモニターになっておりほの赤く文字が光っていた。
モノマミー
「イマドキのクズは積極性が足りないね。
はぁ嘆かわしい、行動力もないクズなんて生暖かくて重たい粗大ごみだよ」
モノマミー
「しばらくは手を貸してあげよう。自主性が育つ時を楽しみにしているよ。」
モノマミー
「諸君、おはよう。起きる時間だ、寝ている者も即座に起きるように。」
モノマミー
「ところで今日は君たちにプレゼントを用意したのだけれど、
気付いてくれたかな。プレゼントはすぐ使って欲しい性質なのでね、
腕につけておいてあげたよ。」
モノマミー
「文字を確認することはできたかな。書かれているのは「NG行動」。
そこに書かれている事をしてしまうと、腕輪から内側に針が飛び出し
毒が注入される。ようは言うこと聞かないと死ぬよ、ってこと」
モノマミー
「ま、NG行動をしなければ何も問題ないよ。
如何に自分を律することができるか、更正には最適なプレゼントだろう？」
モノマミー
「ちなみに、誰かが殺されたらその時点で全員の腕輪は取り外してあげよう。
こちらとしてはずっと付けていてくれてもいいのだけれど。」
篝蛍狐
「………………」
西表東裏
「なんだよコレ………」
梅藤紅謜
「な、な、な…！何だよコレ……！！くっ、クソッ！外れねえ……！
クソがっ！！」
広沖・芥子・マルシャ
「なんですこれ」
月蔵値
「唐突な死の危険に直面しちゃったんですけど！？
うっかり何かにぶつけて誤作動起きてお陀仏とかそういうことは
ないよね？ね？」
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捌目密目
「センスのないプレゼントだなぁ……」
檻川喪中
「うわ〜やだ！なにこれ？俺そう言う性癖ないよー！
俺ＭじゃないもんＳだもん！」
一条貴咲
「はあ？！こんなものを勝手に付けるなんて……ふざけるんじゃない。
しかも何だ、物理的に行動まで制限されるって？」」
篝御世
「最悪なんだがーー！！！！！！！！！！！こ
っちは自由気ままが信条のﾈｺﾁｬﾝだぞ………………((〃`･н･´〃)ぷんすか)」
春暁院優一郎
「おや、困りましたね」
鴉羽虹輝
｢…………はぁ、オシャレでもなんでもないし、ひたすら迷惑だよ…｣
西表東裏
「なんだよコレ………」
モノマミー
「首につけて、違反したら爆発するとかでもよかったんだよ？
昔は高校生と言えば首輪が爆発がお約束だったんだけど…
今時の若者はわからないかぁ」
梅藤紅謜
「クソ古いネタ出してんじゃねえよ…！クソ産廃野郎が…」
檻川喪中
「いやん♡生首になっちゃう♡」
篝蛍狐
「……絵面がエグいねん」
篝御世
「折角死ぬなら派手なのがいいからそっちが良かった……」
モノマミー
「ああそれとね、こっちも色々要りようでコストダウンの命令が出ていてね。
ちょっとばかし施設維持の人員を引き抜かせてもらうから、
自分でできることは自分でやってもらおうか」
月蔵値
「唐突に映画みたいな話をしたと思ったら
唐突に生々しい話をしだした……」
西表東裏
「そもそも解放すればコスト0になるけど？」
篝蛍狐
「勝手に連れて来といてよう言うわな…」
一条貴咲
「行動制限を課しておいて行動範囲を広げるなどナンセンスだな」
モノマミー
「高校生をこんだけ一ヶ所に抱えてるんだ、
それなりに掛かるものは掛かるんだよ。金食い虫達よ」
モノマミー
「とりあえず…皿洗いからかな。結構あれ手間なんだよね。
なにせ君達ときたら食べるものも時間も量もばらばらなんだから。
独りじゃ大変だし、二人か三人一組にしておいたからさ。ま、頑張り給え」
モノマミー
「まさかスポンジの持ち方に洗剤の出し方がわからないとか言わないだろう？
クズでも皿洗いくらいできるだろう？」
梅藤紅謜
「さ、皿…？洗う……？」
捌目密目
「まあ何事にも金の話は付いて回っちゃうんだよねぇ」
月蔵値
「お皿洗うくらいなら別に、やるけどさ……」
一条貴咲
「…ま、そこの愚民らがやればいいか」
檻川喪中
「自分で使ったものは自分で洗えば良くない？俺他人のやりたくない！」
金鉛銀華
「やりくりは大変ですからね、そこだけは理解できます」
鴉羽虹輝
｢僕らを更生させる以外に使った方がいいんじゃないの？そのお金｣
篝御世
「出来るけど、やれと言われるとやりたくなくなるんだよねぇ」
西表東裏
「そもそも皿使わなきゃいい」
捌目密目
「あ、僕は他人のぶんまでやる気ないからそのつもりでね？」
広沖・芥子・マルシャ
「しょうきではないです」
唐突に制限された自由と、課せられた役割に全員が難色を示した。
なんなんだこのミイラは、と苦々しげに口にする。
軽い口調に反した命の危険。
冗談とも思えるが、すでに二人死んでいるのだ。やるといったらやるのだろう。
わずかに重くなった手首を見下ろし、再度ため息をついた。
モノマミー
「皿洗いをさぼっても毒針を出す設定にしておこう。
でないと君たちさぼるだろう」
月蔵値
「ひどい」
檻川喪中
「うぇーん！NG行動増やさないでください！」
月蔵値
「なにその絶対イヤな死に方。
知ってる人間が生きてるかぎり笑い話の鉄板ネタにされそうじゃん」
広沖・芥子・マルシャ
「入れるなら毒じゃなく(自主規制)か(自主規制)にしないです？
トべるです。おすすめです」
金鉛銀華
「大変気に食わないですが……まぁ大人しく皿を洗うことにしましょうか。
ギャグ漫画のような死に方はごめんです。
更生委員会様のなさることですから、NG行動も悪趣味なものに
されるかもしれませんけどね」」
鴉羽虹輝
｢まあ…要はNG行動をせず、イイコにしてればいいんでしょ？｣
西表東裏
「…………最悪(個室に走って戻り)」
檻川喪中
「（腕輪を見て）…ほぇ？…ふむふむ？おーらくしょーじゃん！
シヲちゃんにして貰えば完璧〜♪」」
鴉羽虹輝
｢僕のは…まあ、出来なくもない、か。｣
篝御世
「みんなNG行動教え……っ！（自分のNG行動を確認)
…おに！あくまー！！！えーんえんえんえん；；；；；」
春暁院優一郎
「おやおや……ストレスがたまってしまいますね」」
月蔵値
「（腕輪を見て）へ～……よくわかんないな…
…何か大変なのを引いちゃった人もいるみたいだけど、
よくわかんない命令だなー」
金鉛銀華
「((腕輪を確認したあと、顔をわずかに顰める))やってられませんが…
…まぁ、致し方ないでしょうね」」
捌目密目
「NG行動……まあ、大丈夫そうかな」
広沖・芥子・マルシャ
「………あーーー……はい。」
一条貴咲
「………ﾁｯ…(腕輪を確認すると足早に去っていき)」
宇都病音
「…むにゃむにゃ、ｽﾔｧ」
皿洗い当番表
（月）一条貴咲＆広沖・芥子・マルシャ
（火）檻川喪中＆篝蛍狐
（水）春暁院優一郎＆篝御世＆西表東裏
（木）丹國糸緒＆刺殴毒焼
（金）月蔵値＆捌目密目
（土）梅藤紅謜＆宇都病音
（日）金鉛銀華＆鴉羽虹輝＆木乃伊吹
篝御世
「死因、皿洗いのサボり。笑っちゃうな、誰か死なないかな」
檻川喪中
「あはは！皿洗いサボりで死ぬとか可哀想〜♪」
捌目密目
「皿洗いサボって死ぬ人とか人類史上初じゃないかな？
ちょっと面白いかも」
月蔵値
「おや！密目くんとだー」
梅藤紅謜
「クッソが…！！くそッ！くそッ！……ざけんじゃねえよ…！」