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<目次> 次話→
*番組録画はPC版でご覧ください
本当のプロローグ ①
♪ぴーんぽーんぱーぽーん
九時になりました
九時になりました、
九時になりまさち、
くじ にな地 ま さらなた、
くじくじくじくじくじくじくじくじくじくじくじくじくじくじくじくじ…
茶番劇裁判が終了してから幾日かめの夜。 その日、ゲスト達は体育館に呼び集められていた。

モノホネ
…であるからして、これは番組。視聴率が大事なんですよ、わかります?見てもらえない番組なんて時間の無駄なわけでして…。
壇上から降り注ぐ声にうんざり顔のゲストたち。
先ほどからモノホネは延々と、番組についての説教を全員にかましていたのである。
ようは、彼らの行動がわくわくどっきどきのコロシアイ学園生活(もどき)に、あまりに不釣り合いだと。
そのせいで視聴率はがたおち、番組打ち切りかもおよよ、と。

赤羽望美
モノホネ〜なんでそんなに説教するのーっ?

水叉夜紗
…………????(困惑しながら見上げている)

砂六々子

万針集
ねむ…
話長いっす……Zzz……

御灯舞
(真顔で髪の毛を弄り)

鈴乃メアリー
………………(興味無さそうにどこか違う方を見ながら髪をいじっている)

板張硝子
・・・・・・(うとうと

芦名秘
……長い…
延々としゃべり続けるモノホネの声が途切れることはなく、
朝礼で長話を聞かされているような顔になるのも当然のことだろう。
時計の針が半周したあたりで、ついにがたりと椅子から立ち上がる音がした。

夜亡墓場
いつまでそんなくだらない話をされるのかしらぁ?

モノホネ
おや夜亡様、まだお話の途中ですよ!
これは大事な番組の打ち合わせでしてね…

夜亡墓場
番組番組って…あんなくっだらない裁判しか用意できない番組なんて、学芸会より酷いじゃないのぉ♡
こんな番組に初めから期待してないけどぉ、もう少し面白い台本とか用意できないわけぇ?
夜亡墓場の言葉に幾人かは同意しただろう。
この島に来てから何日経つだろうか。
その何日かの間、やることと言えば食事して散歩してガチャひいて、
まともな娯楽もない環境に彼らは退屈しきっていた。

モノホネ
むきー!私怒りますよ!?
モノホネが怒ったら、最終的にラスボスがしゃどくろに変化して
皆様に牙をむきますよ!?
壇上からぴょこんと飛び降りたモノホネは、てちてちと足音をたてながら夜亡墓場の足元へ近づいてきた。
それを鬱陶しそうに一瞥し、やや高いヒールの靴で遠慮なしに振り払う。
軽々とふっとんだモノホネは、わざとらしくむぎゅっと声をあげて倒れた。

モノホネ
ふみゅっ☆

夜亡墓場
私は部屋に帰らせてもらうわぁ。こんな話聞くために、いつまでも拘束されるのごめんだしぃ♡

モノホネ
う、うう…ひどい、傷物にされた…もうお嫁にいけない…
いや私性別なんてありませんけど…

赤羽望美
わわっモノホネ大丈夫?....ってホネだから大丈夫かな?

万針集
…ん、話終わった?(うとうとしながら)
踵を返す墓場の足音が椅子の波間を渡っていく。
見上げるモノホネのがらんどうの瞳が恨めしげに瞬いた。
それは、風を切るようなひどく薄い音だった。


