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閑話休題―納涼!肝試し― 赤羽望美編
真っ暗闇の中に揺れるライトが1つ、時折反射して耳元がきらりと光っている。
赤羽望美は恐々と足を進めつつ、他の参加者の足音一つ、風の音一つに過敏に反応し足をとめる。

赤羽望美
な、なんかいる..わけないよねっ...!
あたりをぐるりと見渡すが、何かいるどころか誰もいない。
時折やかましく聞こえる夏露島陽向の声がかろうじてわかるくらいで、
他の参加者と全く鉢合わせないままに進んでいた。

赤羽望美
んー...特に変わったとこはないなぁ...どっか行きたいけど...
うーん...図書館とか...?
どこかの教室に入った方が、調べに来る誰かと鉢合わせるかもしれない。
なにより、果てが見えない廊下にいつまでもいるのは心細く、図書館の扉をそっと開いた。
図 書 館
紙束の密集する空間独特の匂いは、懐かしくも闇夜に混ざれば不気味さが勝ってくる。
この暗闇ではやみくもに本を探すのも難しそうだ。
なにか特定の本を探すなら、それを意識しなければならないだろう。

赤羽望美
この中から探すのわりとしんどいような...
こういう時に予言がひらめいたらいいのになぁ。
重なり合う本の列にため息をついて、何かないかと目線を滑らせる。
1冊1冊の背表紙を丁寧に見ていくと、不自然に出っ張った本が目に留まり、
最近読まれたばかりのように埃の積もっていないそれに手を伸ばしてみた。
『呪いの本』

赤羽望美
たしか…図書館には読むと死んじゃう呪いの本があるって
モノホネがいってたっけ……ごくり…
真っ黒な拍子に文字はなく、不思議な手触りのそれは皮のようだ。
…何の皮だろう?
ぺらりとページをめくると同時に、背後の暗闇が蠢く。
何かが近づく感触に振り返っても誰もおらず、しかし何かが忍び寄っている。
それは、足元にまとわりつく蛇のようにぞわりと感覚が這い上がってきた。

モノホネ
あーーーーーー!!!だめーー!!
私の秘密♡の日記帳―――!!!!
静かな図書室にけたたましい叫び声が響き、どこからかやってきたモノホネが本をひったくった。
骸骨のくせに汗を浮かべ、ぜぇぜぇと大事そうに呪いの本…もとい日記帳を抱え、
うるうると目玉もないくせに目元をうるませている。

赤羽望美
わーーっ!?モノホネっ!? びっくりしたぁ〜....
ごめんねっ!これモノホネのだったんだ....

モノホネ
ひどい!ひどいわ!乙女?の秘密の日記を勝手に見るなんて!
こんなの見られたら、私死んじゃう!!!
…どうやら読むと死ぬ本は、読むとモノホネが羞恥で死にそうになる…という本だったようだ。

赤羽望美
モノホネの日記ってちょっと気になるけど...
とりあえず呪いの本ではないんだよねっ?

モノホネ
コレあげるから!この本のことは忘れてください!!!
ぽいっと一本の万年筆を投げ寄越し、真っ赤になった白黒のホネはとてとてとカウンターの中に潜っていった。

赤羽望美
わわっ!....これで1つクリアかなっ!
…にしても、何が書かれてたんだろ………。